中小企業の利益を3倍にする経営コンサルタント本田信輔です。
日本の経営で盛んに叫ばれている経営改善。“生産性向上”や“業務効率化”
特に規模の小さな中小企業にとっては、これからの生き残りをかけたテーマとして、常に経営課題として取り組まれていますし、ミタス・パートナーズでもご相談の多いテーマです。
とはいえ、
・なかなかうまくいかない。
・生産性を改善したはずなのに、すぐに戻ってしまう。
・目標通り、予定通りにならない
・投資した分、生産性が上がらない。
・そもそも生産性とは何かわからない
・何から取り組んで良いかわからない
・そんなに費用もかけられない
・効果の早く出るものから取り組みたい
・成果が上がるまでに時間がかかりすぎる。改善までの時間が読めない。
など、会社や現状の経営状態によって取り組むべき方向性は違い。
他の会社と同じように、思った通りにいかないと相談に来られるのケースが実情です。
実は、生産性向上に取り組む上で一番危険なことは、
「内部の業務効率化だけに目が向かう。それ以外の選択肢を持たない」こと。
中小企業の生産性向上には色々な選択肢があります。
業務効率化にだけ注力していると、とんだ落とし穴が。
今回は生産性向上の定番。中小企業の業務効率化で陥る落とし穴について書いています。
【利益改善事例】年商1.8億円の洋菓子店が1300万利益を上乗せ!利益3倍化&従業員の基本給をアップするまでに行なったこと
目次
1.そもそも中小企業における生産性向上とは何か?
「生産性向上と調べると、やたら難しいことが書かれています(涙) よくわかりません。。。。」
「利益をもっとあげること?」 「業務を効率化することでしょ」
中小企業の社長にとって、生産性向上とは何か。
シンプルに言いましょう。
①“今と同じ時間で、今以上の生産や売上、利益をあげるようにすること”
②“今よりも少ない時間で、今と同等の生産や売上、利益を獲得できるようにすること”
理想は、
③“今よりも少ない時間で、今以上の生産や売上、利益をあげるようにすること”
これだけです。難しく考えることはありません。
その生産性向上のための取り組むのが“業務効率化”
これは日本の生産性向上のために行われており、昨今の働き方改革でも焦点になっています。中小企業の経営者としては、まずここからと考える方も多くいらっしゃいますね。
“働く時間を短くする”
例えば。残業時間の削減、仕事のスピードアップ。コスト削減などが挙げられます。
正しく取り組めば、もちろん効果があります。
しかし中小企業、業種や業態、会社の置かれている状況によっては、マイナスに働くこともあります。業務効率化は大事ですが、ここに捉われすぎると、もっと自社にあった方向性や効果の高い方向性を見落としてしまいます。
大事なのは生産性を上げるために何に取り組むか。ここを考えることが大事です。
2.中小企業の業務効率化 ポイント①〜短期間で成果の出るものを
中小企業の場合。特に手作業が多い業種や業態の場合は、業務効率化に時間がかかることが多くあります。
なぜなら人はすぐに成長できないから。
手のスピードを上げる。これは時間がかかります。
新しい作業導線や流れ。慣れるまでに時間がかかります。
個人ごとに成長のスピードが違います。流れ作業の場合、一部の人がスピードアップしても、他の人が追いつけなければ効率化は進みません。
計画通りに改善しない。思った通りに成果が出ない。改善するまでに時間がかかる。
今の経営状況に余裕があり、じっくりと腰を据えて取り組むことができれば、長期的に安定した生産性の基盤を作ることができます。
一方、経営状況がすでに苦しくなっていて、改善が早急に必要な場合。改善に時間がかかってしまうことによって、さらに経営状況が悪化してしまう場合があります。
3.中小企業の業務効率化 ポイント②改善効果のあるものから
電気や水道、細かなコスト削減。
今の仕事をする上で無駄なコストを削減する。利益を上げる。
これは確実に成果が上がりますが、改善効果としては低くなることがしばしば。
電気代は年間でいくら下がりますか?水道代は?その他の経費は?
売上や年商に対して、何%の改善ですか?
実際に試算してみると。。。驚くほど少ないというのが事実です。
中小企業にとって、コストのメインは原価と人件費。ここに手をつけななくては、大きな改善効果は期待できません。
大きく改善が必要なのにコスト削減に注力しすぎる。結果、改善したのに厳しい状況は変わらない事態に陥ってしまいます。しかも過剰なコスト削減は会社の力自体を奪うこと、従業員モラルの低下、ブランド力の低下にも繋がることがあるので要注意です。
既に高収益型の経営をしており、さらに基盤を固めたい方にはオススメ。逆に言えば、利益を出している経営者ほど少しのコストにも敏感です。振り込みをするのであれば同系の金融機関から。ちょっとの距離だったらタクシーは使わない。ボールペンを最後まで使う。その一方で、必要なときにはちゃんと使う。全てにコスト削減ではなく、何にお金を使い、何に使わないか。明確にすることが大事ですね。
4.中小企業の業務効率化 ポイント③本当に必要な設備投資かどうか
生産性を上げるための設備投資。機械を導入する。ITを導入する。新しい施設や工場を作る。生産性向上のために、それなりの費用で設備投資したのに効果がない。これは資本力の小さな中小企業にとって死活問題です。
「時間あたりの生産量が手作りよりも増えますよ!」「かかる人手が減り、人件費が下がります」との触れ込みで実際に機械を買ったり、工場投資をしたけれど成果が上がらないと嘆く経営者の方は多くいます。
例えば生産量を増やすために機械化した場合。
機械は大きく3つのステップで考えます。
ステップ1:機械がある
→ステップ2:機械を動かせる・使える
→ステップ3:機械が走る
“生産性が上がるのはステップ3の状態になったときです”。
ステップ1の機械があるだけはマイナス。場所を占有し、投資をしただけです。
ステップ2の機械が動かせる・使えるは、今と同程度かマイナス。機械に慣れるまではマイナスのことが多くあります。
ステップ3の機械が走るになれば、設備投資による生産性向上が実現できている状態。機械が本来の性能をフルに発揮している状態です。
機械を稼働せるためには、機械の準備・後片付けが必要。機械に慣れる時間も必要。それも含めて生産時間が改善できるのか考える必要があります。機械の性能より少ない生産量であればマイナス。設備投資を回収することも難しくなります。
機械をフル稼働させるためには、フル稼働させた分、商品が今以上に売らなくては在庫が増えるだけ。ましてや機械化によって商品の品質が落ちてしまえば、ブランドや売上面への影響も出てきます。
生産性を高めるために機械投資する場合だと、内部の効率化だけではなく。機械で作る商品をさらに売ることや、業務体制の改善・強化も同時進行で行わないと効果が期待できません。機械製造による商品品質は?販売現場や営業体制は大丈夫か?製販一体で取り組めるか。製造だけが効率化して、販売現場に過剰な負担とならないか。会社全体の戦略から考えて判断する必要があります。
設備投資による業務効率化は実現すれば、とても効果が大きいものです。
設備投資による効率化を進めようとするのであれば、まず自分の会社は今後どうしていくのか。現状の商圏や販路。今後の営業戦略など。“機械が走る”体制にするためにどうしたら良いかを考えた方が良いです。
投資額が大きくなりやすいからこそ、ちゃんと考え決断することがポイント。機械を買ったはいいけれど。とならないよう注意が必要です。
5.中小企業の業務効率化 ポイント④〜その意思決定は配慮があるか
中小企業の業務効率化、最後の落とし穴は。経営者への信頼感喪失。
業務効率化をするためにお金もかけて、時間もかけて、従業員に負担もかけて。
結局、成果はどれくらい、いつ頃までに出るのですか?私たちの時間や給与は改善されますか?
従業員はやっぱり、信頼できる経営者についていきたいもの。
信頼は色々とありますが、業務効率化のように従業員の労働時間や作業体制、給与に直接影響があるテーマは結果が気になります。それだけに経営者の決断・判断が成果につながったのかどうかが大事です。
社長の言う通りにやったのに。自分たちも頑張ったのに成果になかなか繋がらない。大きなお金をかけて機械を買ったのに。。。従業員の改善に対するモチベーション低下、強いては経営者への信頼感喪失。こういったところまで影響が出ます。
だからこそ経営者は自社の状況を観て、今取り組むべき方向性を決めていくことが必要です。
6.会社の生産性をあげる方向は他にもある。今、あなたはどの状態ですか?
業務効率化は中小企業にとって、とても重要な生産性向上の取り組みの一つです。
働き方改革でも同じようなことが言われています。
ですが、会社の状況によっては業務効率化ではなく、
・原価を下げる
・値付けと商品価値の見直しによる商品粗利改善
など、別の方法を先んじて行うことが効果的な場合も多くあります。
特に人の作業が多い業種や業態。作業の内容や事業規模でなかなか機械化できない。
そもそも規模が小さくて効率化による改善効果が小さい場合には、業務効率化よりも他の方法を検討した方が良いです。
地方の中小企業が3ヶ月で高収益型企業に生まれ変わってしまう3つの理由
今、業務効率化に取り組んでいるけど、なかなか成果が出ないあなた。
すでに落とし穴にはまっていると感じたあなた。
さらに効率化、生産性向上を進めていきたいと考えているあなた。
一度、会社の生産性向上に対する取り組みを方向性から見直してみてはいかがでしょう。
経営者の考え一つで、会社の生産性向上は劇的な効果を発揮します。
中小企業の働き方改革 経営者編(社長の働き方、時短、生産性向上)
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